「フェンダー アメリカン ヴィンテージ 評価って実際どうなんだろう?」 「Fender American Originalは生産終了って聞いたけど、代わりのシリーズって何?」 「アメリカンヴィンテージの当たり年やベースモデルの評価も気になる…」
このように、フェンダー のヴィンテージ系ギターやベースに関する情報を詳しく知りたいと考えている方は多いのではないでしょうか?
近年、Fender American Vintageシリーズは大きくリニューアルされ、American OriginalやAmerican Vintage IIシリーズなど、さまざまな派生モデルが登場しています。特に「フェンダー アメリカンヴィンテージ 62」や「フェンダー アメリカンヴィンテージ 57」は高い評価を受ける一方で、fender american vintage ’62 stratocaster の炎上事例なども話題になりました。
本記事では、「フェンダー アメリカン ヴィンテージ 評価」を軸に、各シリーズの特徴や初年度情報、ベースモデルの評価、当たり年、American Vintage IIのレビューまで幅広く解説していきます。
「どのモデルが自分に合っているのか知りたい」 「New American Vintageの詳細や価格帯を確認したい」 「フェンダーアメリカンスタンダードとの違いを知っておきたい」
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ最後までご覧ください。きっとあなたの理想の一本に出会うためのヒントが見つかるはずです。
フェンダー アメリカン ヴィンテージシリーズの歴史とモデルの違い
各モデル(’57・’62・American Vintage IIなど)の特徴と評価
当たり年や炎上の背景など、中古選びで注意すべきポイント
現行後継シリーズや価格帯との比較による選び方のコツ
目次
フェンダー アメリカン ヴィンテージ 評価の実態と注目モデル
イメージ画像
Fender American Originalは生産終了済み
New American Vintageは現行後継シリーズ
American Vintageの初年度と発売背景
評価の高いフェンダー アメリカンヴィンテージ 62
フェンダー アメリカンヴィンテージ 57の特徴と魅力
American Vintage II 1961 Stratocaster レビュー
Fender American Originalは生産終了済み
Fender American Originalシリーズは、すでに生産終了となっています。これは、Fender社がより現代的な演奏性とヴィンテージ感を両立した新ライン「American Vintage II」へとシフトしたことが大きな理由です。
このシリーズは、2018年に登場し、50〜70年代の名機を現代的に再解釈したギターやベースを展開していました。ネックの仕上げ、ピックアップのサウンド、塗装など、細部まで当時のスペックを再現しつつも、プレイヤビリティの面ではモダンな設計が施されていた点が特徴です。
ただし、オリジナルシリーズはその絶妙なバランスから一部のプレイヤーに強く支持されていました。特に、9.5インチの指板ラジアスやミディアムジャンボフレットの採用により、現代的な演奏性を求めるユーザーには非常に扱いやすいシリーズだったのです。
それでも、2022年頃から流通数が徐々に減少し、公式発表こそありませんでしたが、ディーラーや販売店での在庫が完売したことにより、生産終了の事実が広く知られるようになりました。今では新品を手に入れることは困難で、中古市場での価格が上昇傾向にあります。
このように、Fender American Originalシリーズは惜しまれながらも終了し、次なるシリーズへのバトンを渡したと言えるでしょう。入手を検討している方は、中古市場をチェックしつつ、価格や状態の見極めが非常に重要となります。
New American Vintageは現行後継シリーズ
New American Vintage、正式には「American Vintage II(アメリカン・ヴィンテージ・ツー)」は、Fenderが2022年に発表した現行のヴィンテージ系シリーズです。このシリーズは、前述のAmerican Originalの後継として位置づけられており、より忠実に当時の仕様を再現する方向に舵を切っています。
このモデルの最大の特徴は、各年代の実機スペックを極限まで再現している点にあります。例えば、ラジアスは7.25インチ、フレットはヴィンテージサイズ、ピックアップも当時のトーンを目指して巻き直されたものが使用されるなど、従来以上に「本物志向」の設計になっているのです。
一方で、この仕様変更により、プレイヤビリティの面ではやや好みが分かれます。特に、現代的な演奏スタイルに慣れているギタリストにとっては、フレットが小さく、チョーキングがしづらいと感じる場面もあるでしょう。しかし、それを補って余りあるほどの「本物らしさ」が魅力であり、ヴィンテージファンからの評価は非常に高いシリーズです。
また、ラインナップも非常に豊富で、ストラトキャスターやテレキャスターだけでなく、ジャズベースやプレシジョンベースなど、幅広いモデルが用意されています。これにより、ギターだけでなくベースユーザーにも選ばれる存在となっています。
総じて、New American Vintageシリーズは、単なる後継というよりも、Fenderの歴史を現代に再構築した意欲作といえるでしょう。ヴィンテージスタイルを忠実に体験したい方にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
American Vintageの初年度と発売背景
American Vintageシリーズが初めて登場したのは1982年です。この年は、フェンダーがCBS傘下から独立した直後のタイミングであり、ブランドの信頼性や伝統を再構築する必要がありました。その中で「原点回帰」の姿勢を示す意味でも、50〜60年代のクラシックモデルを再現したAmerican Vintageシリーズは重要な役割を担っていたのです。
このシリーズの狙いは、1950〜70年代のストラトキャスター、テレキャスター、ジャズマスター、プレシジョンベースなどの黄金期モデルを、忠実に復刻することにありました。たとえば、1957年製のストラトキャスターや1962年製のジャズベースなどが再現され、それぞれ当時のスペックや外観を可能な限り踏襲しています。
その背景には、ヴィンテージ市場の活性化と、オリジナルモデルの高騰も関係していました。1970年代後半から1980年代初頭にかけて、オリジナルのフェンダーギターはコレクターやプロミュージシャンの間で人気が急上昇。そこで、手が届きにくくなった本物のヴィンテージの代替として、高品質な復刻モデルの需要が高まったのです。
このように、American Vintageシリーズは、フェンダーにとって単なる製品展開ではなく、ブランドの信頼回復や価値再定義という意味合いを持っていました。その後のモデルチェンジを重ねながら、長年にわたりヴィンテージ愛好家から支持されてきた背景には、こうした原点に立ち返る姿勢が根底にあるのです。
評価の高いフェンダー アメリカンヴィンテージ 62
フェンダー アメリカンヴィンテージ 62(American Vintage ’62)は、シリーズの中でも特に評価の高いモデルです。特にストラトキャスターとジャズマスターの62年仕様は、ヴィンテージファンやプロミュージシャンの間でも高い支持を受けています。
このモデルの魅力は、まずルックスと仕様にあります。ラウンド・ローズウッド指板、7.25インチのラジアス、スラブボード構造、そして細身のネックシェイプといった60年代初期の特徴を忠実に再現しており、当時の雰囲気をそのまま現代に伝えています。また、ラッカー塗装による自然なエイジングも、長く使う楽しみを提供してくれます。
サウンド面でも、ヴィンテージ特有の中域に張りのあるウォームトーンが特徴です。シングルコイルピックアップによって得られる透明感のあるクリーントーンは、ジャズやブルース、オルタナティブロックなど幅広いジャンルで活躍します。特に、ネック側のピックアップは非常に丸みを帯びた音色で、リードプレイにも適しています。
しかし、デメリットがないわけではありません。フレットがヴィンテージサイズのため、チョーキング時の音詰まりや弾きづらさを感じる方もいます。また、現代のミディアムジャンボフレットに慣れているプレイヤーにとっては、違和感があるかもしれません。これらはヴィンテージ仕様ゆえの特徴であり、好みが分かれるポイントです。
とはいえ、このモデルは「弾く楽しさ」と「所有する満足感」の両方を兼ね備えている数少ないギターです。市場での評価も高く、特に2000年代前半に製造された個体は“当たり年”として中古市場で人気があります。このように、フェンダー アメリカンヴィンテージ 62は、見た目・音・歴史のすべてを楽しめるギターとして、今でも多くのギタリストにとって特別な存在となっています。
フェンダー アメリカンヴィンテージ 57の特徴と魅力
フェンダー アメリカンヴィンテージ 57(’57 Stratocaster)は、ストラトキャスターの黄金時代である1957年仕様を忠実に再現したモデルです。木材の選定から細部のパーツに至るまで、当時の仕様にこだわって設計されており、ヴィンテージファンやコレクターを中心に長年高い支持を得ています。
このモデルの大きな特徴は、メイプル指板と1ピースネックの採用です。これは50年代のフェンダーギターによく見られた仕様で、明るくパリッとした音色を生み出します。指板ラジアスは7.25インチ、フレットもヴィンテージサイズで、現代的なモデルに慣れているプレイヤーにはやや弾きづらさを感じるかもしれませんが、これもまたヴィンテージ感を楽しむ要素の一つといえます。
音の傾向としては、スナッピーでアタック感の強いトーンが特徴です。特に、クリーントーンでの反応が良く、カッティングやブルースに最適とされています。また、オリジナルに近いシングルコイルピックアップにより、非常にヌケの良いサウンドが得られるため、ライブでも録音でも活躍するでしょう。
魅力的なポイントとして、以下のような仕様があります:
メイプル1ピースネックによる明快なサウンド
アッシュボディ(モデルによる)による軽快な鳴り
ラッカーフィニッシュで自然な経年変化が楽しめる
細部まで再現された50年代スタイルのルックス
ただし、現代的な演奏性を求める方には適応が難しい側面もあります。たとえば、細いフレットや高めの弦高に戸惑うプレイヤーも少なくありません。これらは「弾きにくい」と感じるかもしれませんが、それこそが本物のヴィンテージ仕様なのです。
このように、アメリカンヴィンテージ57は、フェンダーの歴史を肌で感じられるモデルです。音、外観、弾き心地、すべてにおいて“1957年”の空気を現代に伝えてくれる存在であり、所有する喜びを与えてくれるギターと言えるでしょう。
American Vintage II 1961 Stratocaster レビュー
American Vintage II 1961 Stratocasterは、フェンダーの歴史の中でも特に人気の高い「1961年製ストラトキャスター」を忠実に再現した現行モデルです。このギターは、2022年にリリースされたAmerican Vintage IIシリーズの中核をなす一本であり、当時の仕様と現代の製造技術が高次元で融合した製品といえます。
まず最も目を引くのは、スラブボード仕様のローズウッド指板です。60年代初期に特有の滑らかな質感と、ミッドレンジに寄った温かみのあるトーンが特徴で、メイプル指板とは明確に違ったキャラクターを持ちます。また、ネックシェイプは’60s Cシェイプで、手になじむ自然な握り心地があり、長時間の演奏でも疲れにくい設計です。
さらに、ボディはアルダーボディにニトロセルロース・ラッカー塗装が施されており、時間が経つにつれて自然な経年変化が楽しめる仕上げです。これは単なる外観の美しさだけでなく、木材の響きを妨げないという音響的メリットも持っています。
音色面では、ヴィンテージ特有のスナップ感と粘りのあるトーンが魅力です。特にネック・ミドル・ブリッジの各ピックアップで明確なキャラクターの違いがあり、演奏スタイルに応じた幅広いサウンドメイクが可能です。
このギターの注目ポイントを整理すると以下の通りです:
スラブボード仕様のローズ指板による太く温かいトーン
ヴィンテージCネックによる握りやすさと操作性
ニトロラッカー仕上げのボディで鳴りの良さと経年変化
クラシックな3シングル構成とヴィンテージワイヤリング
一方で、現代的なハイゲイン系の音楽にはやや不向きであり、あくまで「ヴィンテージを体験したい人」に向けた設計となっています。また、フレットサイズも細めで、滑らかな演奏性を求める場合には好みが分かれる可能性があります。
このように、American Vintage II 1961 Stratocasterは、ヴィンテージの魂をそのまま継承した本格仕様のモデルです。クラシックな音楽にマッチする本格派ギターとして、初心者から中上級者まで幅広い層におすすめできる一本です。
フェンダー アメリカン ヴィンテージ 評価から見る選び方と価値
イメージ画像
フェンダーアメリカンスタンダードの定価と価格帯比較
フェンダー アメリカンヴィンテージ 当たり年とおすすめ年式
フェンダー アメリカンヴィンテージ 評価 ベースの傾向
Fender American Vintage ’62 Stratocaster 炎上の背景
フェンダー アメリカン ビンテージ2の最新評価
American Vintage II レビューから見るユーザー満足度
フェンダーアメリカンスタンダードの定価と価格帯比較
フェンダーアメリカンスタンダードは、1980年代から2016年まで長きにわたり製造されていたFenderの定番モデルで、プロ・アマ問わず幅広い層に支持されてきました。このモデルは、ヴィンテージモデルとは異なり、モダンな仕様と演奏性を追求したラインナップであり、価格と品質のバランスに優れた「実用的な一本」として知られています。
発売当初の定価は、おおよそ13万円〜15万円前後(税抜)に設定されていました。時代や為替によって価格は変動しますが、2010年代に入ってからの新品価格帯は概ね15万円台〜17万円台で推移しており、フェンダーUSA製ギターの中ではミドルレンジに位置していました。
この価格帯と比較するために、他のモデルとの違いを以下のようにまとめてみましょう:
モデル名 定価(税込)目安 主な特徴 American Standard 約15万〜17万円 モダン設計・実用重視 American Vintage(旧) 約22万〜28万円 ヴィンテージ仕様・ラッカー塗装 American Vintage II(新) 約27万〜33万円 より忠実な復刻仕様・高価格帯 American Professional 約20万〜24万円 現代的な演奏性・幅広いジャンル対応
このように、アメリカンスタンダードは、価格を抑えつつも本格的な仕様と安定した品質が得られる、コストパフォーマンスの高いモデルと位置づけられています。
ただし、2017年以降は「American Professional」シリーズへとモデルチェンジされ、アメリカンスタンダードは生産終了となりました。現在では中古市場での取引が中心となっており、状態や製造年によっては10万円以下から20万円近くまで幅広い価格が見られます。
このように、フェンダーアメリカンスタンダードは、新品で購入できるモデルではありませんが、安定感と信頼性を備えたモデルとして、今でも高い人気を誇っています。
フェンダー アメリカンヴィンテージ 当たり年とおすすめ年式
フェンダー アメリカンヴィンテージシリーズには、「当たり年」と呼ばれる製造年があります。これは、特定の年に品質が特に高かったり、パーツや仕様に違いがあったりするために、中古市場で人気が高い年式のことを指します。すべてが同一仕様というわけではなく、年ごとに微細な調整が加えられているのが特徴です。
なかでも人気の高い「当たり年」として、以下の年式がよく挙げられます。
1998〜2000年製 :塗装の質が高く、ネックの仕上げが美しいとされる個体が多く見られます。
2007〜2012年製 :ピックアップが再設計され、音の輪郭がはっきりしているという評価があります。演奏性・サウンドともにバランスが取れた年式です。
2013年モデル :仕様変更の節目にあたり、ネックのフィット感や組み込み精度が向上していたと言われます。
2018年頃までの最終ロット :American Originalへ移行する直前の時期で、品質が安定しており、人気が高い傾向にあります。
前述の通り、同じモデル名でも年によって使用パーツや製造工程が異なることがあります。これが「当たり年」と言われる背景であり、ヴィンテージ再現性やトーン、ネックの形状などで明確な違いが感じられることも珍しくありません。
購入時には以下のポイントに注意しましょう:
年式によるスペック差を事前にリサーチする
中古個体の状態(フレット減り・ネックの反り)を確認する
シリアルナンバーから製造年を正確に把握する
おすすめとしては、初めてAmerican Vintageシリーズを購入する場合、2007〜2012年製のモデルが狙い目です。演奏性とトーンのバランスが良く、価格も比較的安定しているためです。
このように、フェンダー アメリカンヴィンテージの「当たり年」は、スペックや品質にこだわるユーザーにとって価値ある情報です。自分にとって最適な一本を見つけるためには、年式による違いをしっかりと理解し、中古市場で慎重に選ぶことが重要になります。
フェンダー アメリカンヴィンテージ 評価 ベースの傾向
フェンダー アメリカンヴィンテージシリーズのベースモデルは、ヴィンテージ志向のプレイヤーを中心に高く評価されています。その理由は、1950年代から1970年代にかけて製造された名機を、当時の仕様に限りなく近いかたちで再現しているためです。ベースプレイヤーにとっては、音の太さ、存在感、ルックスの再現度が重要視される要素となるため、これらを満たす同シリーズは特に注目されてきました。
代表的なモデルには、以下のようなものがあります:
American Vintage ’57 Precision Bass → 1ピースメイプルネックとアルダーボディの組み合わせで、太く締まりのある低音が特徴。
American Vintage ’63 Precision Bass → スラブボードのローズウッド指板が採用され、柔らかく丸みのあるトーンが魅力。
American Vintage ’64 Jazz Bass → ネックのグリップやピックアップの配置が絶妙で、プレイスタイルに幅広く対応可能。
こうしたモデルは、それぞれの時代の音のキャラクターや演奏感を忠実に再現しています。その一方で、プレイヤビリティという観点では好みが分かれる傾向があります。たとえば、ラジアスが7.25インチであったり、フレットがヴィンテージサイズだったりと、現代のベースに慣れたプレイヤーには弾きにくさを感じる場面もあるかもしれません。
また、ピックアップの出力は控えめで、アンプやエフェクターとの相性を考慮しながら調整する必要があります。この点は、ハイパワーなモダン系ベースを使っている人にとっては、やや物足りなく映る可能性もあります。
このように、フェンダー アメリカンヴィンテージのベースは「ヴィンテージトーンを求める人」に向いており、現代的な仕様とは異なる魅力を持ったシリーズです。音のニュアンスや歴史的背景を重視するベーシストにとっては、長く愛用できる一本となるでしょう。
Fender American Vintage ’62 Stratocaster 炎上の背景
Fender American Vintage ’62 Stratocasterは、フェンダーのヴィンテージリイシューモデルの中でも非常に人気が高い一本ですが、過去に一部で「炎上」と言われるような否定的な話題がSNSや掲示板などで広まった時期がありました。ここでは、その背景について冷静に整理していきます。
この「炎上」の主な原因は、個体差のばらつき にありました。特に2000年代前半に製造された一部のモデルにおいて、ネックの反りや仕上げの粗さ、サドルの精度など、品質管理に関する指摘がユーザーから相次いだのです。新品で20万円前後するモデルにもかかわらず、こうした不具合に出会ったユーザーが不満を漏らし、それがインターネット上で一気に拡散された形となりました。
さらに、フェンダーUSA製というブランドへの信頼が高かった分、「期待とのギャップ」が炎上を加速させた要因でもあります。特に初めてヴィンテージモデルを購入した人にとっては、塗装のムラやフレットの仕上がりの甘さが「高額製品とは思えない」と受け取られてしまった側面もあります。
とはいえ、すべての個体が問題を抱えていたわけではありません。むしろ、同じ年代の中にも「非常に完成度が高い」と評価されるモデルも多く存在し、特にピックアップのトーンに関しては、多くのプロミュージシャンがステージやレコーディングで使用していた事実もあります。
この問題が話題になった後、フェンダーはシリーズの改良やモデルチェンジを進め、後継となる「American Original」や「American Vintage II」では、品質の安定化が図られています。こうした経緯から、過去の問題点をきちんとフィードバックとして受け止め、改善に取り組んできたことが分かります。
要するに、Fender American Vintage ’62 Stratocasterの「炎上」は、特定の期間と個体に限った問題が引き金でしたが、それがシリーズ全体の価値を否定するものではありません。購入を検討する際には、年式や状態をしっかり確認し、信頼できるショップで選ぶことが重要です。
フェンダー アメリカン ビンテージ2の最新評価
フェンダー アメリカン ビンテージ2(American Vintage II)は、2022年に発表されたFenderの新しい復刻シリーズで、2020年代に入ってからのラインナップとして注目を集めています。以前の「American Original」シリーズに比べ、より当時の実機に忠実な設計となっており、その完成度の高さが評価されています。
最新の評価を見ると、特に注目されているのが以下の3点です。
仕様の忠実度 :ピックアップ、ネックシェイプ、塗装、指板のラジアスなど、1960年代当時のスペックを再現しており、見た目も音も非常にリアルです。
品質の安定性 :過去のシリーズでは個体差が指摘されることもありましたが、American Vintage IIでは仕上げの精度やサウンドの統一性が改善されています。
演奏性のバランス :ヴィンテージらしさを保ちつつも、ネックの握りやすさや弦高の調整幅が広く、現代のプレイヤーにも対応しやすくなっています。
一方で、注意点もあります。ラジアスが7.25インチであるため、チョーキング時に音詰まりを感じる人もいます。また、ビンテージサイズの細いフレットにより、モダンなプレイスタイルを求める方には若干の違和感があるかもしれません。
さらに、価格帯はモデルによっておおよそ27万円〜33万円前後と高めに設定されています。初心者が気軽に購入できる価格帯ではありませんが、その分、所有する満足感は高く、音・外観・仕様すべてにおいて「本物らしさ」を体感できるギターとして人気が広がっています。
このように、フェンダー アメリカン ビンテージ2は、従来のモデルよりもさらに深化した復刻シリーズとして、多くのギタリストから高評価を受けているシリーズです。購入する価値のある一本を探している中級者以上のプレイヤーには、特におすすめできるモデルだといえるでしょう。
American Vintage II レビューから見るユーザー満足度
American Vintage IIシリーズに関するユーザーのレビューを見ると、全体的に非常に高い満足度が確認できます。特にギター経験者やヴィンテージ愛好者からは、「過去最高クラスの再現性」や「弾いてすぐに違いがわかる」といった声が多く寄せられています。
レビューから読み取れる満足度のポイントを以下にまとめます:
音質に対する満足度 → 「ピュアで立体感のあるサウンド」「ミドルが太く、バンドで埋もれない」といった意見が目立ち、オリジナルヴィンテージに迫るトーンに驚くユーザーも多いです。
ルックスと仕上がり → ラッカー塗装の美しさ、ピックガードの色合い、ネックの着色など、見た目に関しても非常に高評価です。「新品なのに風格がある」というコメントも多く見受けられます。
弾き心地と扱いやすさ → ネックの厚みやCシェイプの形状が手にしっくりくるという声が多く、長時間の演奏でも疲れにくい点が評価されています。特に1961ストラトや1973テレキャスターはネックバランスが秀逸とされています。
ただし、マイナス面に触れているレビューも存在します。一部では「チョーキングがやりにくい」「ジャンボフレットに慣れていると違和感がある」といった意見がありました。これは完全なヴィンテージ仕様に起因するため、現代的な仕様に慣れたプレイヤーにとっては賛否が分かれるポイントです。
また、「このクオリティなら価格は納得」との声が多い一方で、「30万円超はやはり高い」と感じるユーザーも存在しています。したがって、価格に見合った価値を求めるならば、購入前に試奏を重ね、自分に合った年式・モデルを選ぶことが重要になります。
このように、American Vintage IIシリーズは、製品の完成度の高さによってユーザーの期待をしっかりと満たしており、ヴィンテージサウンドと外観にこだわるギタリストから強い信頼を得ています。細部まで丁寧に作り込まれたこのシリーズは、まさにFenderが再び「原点」に戻って作り直した意欲作といえるでしょう。
(まとめ)フェンダーアメリカンヴィンテージの評価と歴代モデルを徹底比較【選び方ガイド】
記事のポイントをまとめます。
American Originalシリーズは既に生産終了
現行後継はAmerican Vintage IIシリーズ
American Vintageシリーズは1982年に初登場
当初の目的は1950〜60年代モデルの復刻
American Vintage IIは当時のスペックを忠実に再現
7.25インチラジアスや細フレットなど完全ヴィンテージ仕様
American Vintage IIはラッカー塗装で経年変化も楽しめる
62年モデルはスラブボード指板が特徴で評価が高い
57年モデルはメイプル指板によるパリッとした音が魅力
American Vintage II 1961 Stratocasterは太く温かいトーン
フェンダーアメリカンスタンダードは実用重視で定価15〜17万円程度
アメリカンヴィンテージには製造年ごとの“当たり年”がある
ベースモデルも再現性が高くヴィンテージトーン志向に人気
’62 Stratocasterは個体差により一部で炎上した過去がある
最新のAmerican Vintage IIは品質も安定しユーザー満足度が高い