「ギブソン レスポール スタンダード 当たり年っていつ?」
「おすすめの年代やハズレ年についても詳しく知りたい」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
ギブソンのレスポールは、長い歴史の中で数多くのモデルが誕生してきました。その中でも「スタンダード」の当たり年とされる時期はプレイヤーの間で特に注目されており、音質や仕様、評価の高さから市場でも高い人気を誇ります。また、50sと60sのスタンダードの違い、90年代モデルの評価、さらにはレスポールクラシックがなぜ安いのかといった疑問も、ギター選びには欠かせない重要なポイントです。
この記事では、ギブソン レスポール スタンダード 当たり年の見極め方や、ヒスコレの注目モデル(特に2014年)について解説するとともに、年代ごとの見分け方や中古での選び方、買取相場、さらにはハズレ個体やハズレ年の情報までを網羅的に紹介します。
「ギブソンレスポールスタンダードの中古を探している」「トラディショナルとスタンダードの違いを知りたい」「当時の価格や現在の価値を確認したい」といった方は、ぜひ最後までご覧ください。きっとあなたにとって最適な1本を見つけるヒントが得られるはずです。
- ギブソン レスポール スタンダードの当たり年とされる具体的な年代と理由
- 50s・60sスタイルや90年代モデルなど、各年代ごとの特徴と違い
- 当時の価格や現在の中古・買取相場の変動と傾向
- ハズレ年やハズレ個体の見分け方と中古選びの注意点
目次
ギブソン レスポール スタンダード 当たり年の特徴とは
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- ギブソンのレスポールでおすすめの年代を解説
- レスポールスタンダードの50sと60sの違いを比較
- ヒスコレで注目の当たり年2014年モデル
- レスポール トラディショナルとスタンダードの違い
- ギブソン レス ポール スタンダード 90年代の評価
ギブソンのレスポールでおすすめの年代を解説
ギブソンのレスポールで「当たり年」とされる年代はいくつかありますが、特に評価が高いのは1958年〜1960年、そして復刻モデルでは1990年代後半〜2000年代初頭の個体です。このように言うと、なぜその年代が「当たり」とされるのか気になる方も多いでしょう。
まず、1958年〜1960年に製造されたオリジナルの「バースト」と呼ばれるレスポールは、極めて希少で音質・作りともにギブソンの頂点と評されています。この時期のモデルは、メイプルトップの虎目(フレイムメイプル)、ハンドワイヤードの配線、PAFピックアップなど、今日では再現が難しい仕様が満載です。これにより、世界中のコレクターから高額で取引されています。
一方で、ビンテージモデルが手の届かない価格になっている現代においては、90年代後半〜2000年代初頭のGibson USA製スタンダードモデルも非常に評価が高くなっています。この時期は品質管理が安定しており、ネックの形状やボディの重量バランスも優秀な個体が多いです。特に1994年、1999年、2002年あたりのモデルは「現行品の中では当たり」とされる傾向があります。
また、2013年〜2014年にかけてのカスタムショップ製「ヒストリックコレクション(ヒスコレ)」も人気があります。ヴィンテージのスペックに忠実に作られたこれらのモデルは、実用性とコレクション性の両面で高評価を得ています。
以下におすすめの年代とその特徴をまとめます:
年代 | 特徴と評価ポイント |
---|
1958〜1960 | 通称「バースト」。最高峰のビンテージモデル。 |
1994年 | 木材の質が高く、安定した作りの個体が多い。 |
1999年 | ピックアップとネックのバランスが良好。 |
2002年 | 音の抜けが良く、ライブユースでも人気。 |
2013〜2014年 | ヒスコレの完成度が高く、再評価が進んでいる。 |
ただし、同じ年に作られたレスポールでも個体差があるため、実際に弾いて確認することが重要です。木材の質や加工精度、経年変化の状態によって大きく印象が変わるため、「当たり年」=「絶対に良い」というわけではない点には注意が必要です。
つまり、ビンテージモデルに手が届かない場合でも、90年代後半や2000年代前半のモデルはコストパフォーマンスに優れた「狙い目」と言えるでしょう。
レスポールスタンダードの50sと60sの違いを比較
レスポールスタンダードには「50s(フィフティーズ)」と「60s(シックスティーズ)」と呼ばれるモデルがありますが、この2つは外観だけでなく、演奏性や音のキャラクターにも明確な違いがあります。自分に合った一本を選ぶには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
まず、ネックの形状が大きな違いの一つです。50sスタイルは「ラウンドC」や「50sスタイルネック」と呼ばれるやや太めのグリップ感が特徴で、クラシックなギターの握り心地を好むプレイヤーに人気があります。手にしっかりとフィットするため、コードワークで安定感を感じられるのが魅力です。
一方、60sスタイルは「スリムテーパーネック」と呼ばれる細身のネックが採用されており、速弾きやテクニカルなプレイを好むギタリストに向いています。手の小さい方でも無理なく扱えるため、現代の演奏スタイルにマッチしやすい構造です。
次に、音の傾向についても違いがあります。50sスタンダードは、温かみのある中低音が特徴で、ブルースやジャズ、クラシックロックといったジャンルに最適です。アルニコIIピックアップが搭載されていることが多く、やや丸みを帯びたトーンになります。
60sスタンダードは、高音のヌケが良く、ややエッジの効いたサウンドが魅力です。アルニコVピックアップを搭載しているケースが多く、ハードロックやモダンロックなど、歪ませて使う場面で力を発揮します。
以下に50sと60sの主な違いを表で整理します:
項目 | 50sスタンダード | 60sスタンダード |
---|
ネック形状 | 太めでクラシカル | 細身で現代的 |
サウンド傾向 | 太くて温かみのある音 | シャープで抜けの良い音 |
プレイスタイル | コード中心、ブルースやジャズ向き | ソロ中心、ロックやメタル向き |
ピックアップ | アルニコII | アルニコV |
いずれも品質が高く、用途に応じた選び方をすればどちらも「当たり」になり得ます。ただし、「ヴィンテージ風の風合いを重視したい」のか「モダンなプレイアビリティを求める」のかによって選択肢は変わってくるでしょう。
また、これらの違いはモデルごとに多少仕様変更がある場合もあります。購入前には、必ず公式仕様を確認し、できれば実際に試奏することをおすすめします。
このように、50sと60sの違いを知ることで、自分に合った一本を見つけやすくなります。選ぶポイントを明確にすることで、後悔のないレスポール選びができるでしょう。
ヒスコレで注目の当たり年2014年モデル
ギブソン・カスタムショップの「ヒストリック・コレクション」、通称“ヒスコレ”の中でも、2014年製モデルは非常に高い評価を受けています。その背景には、製造仕様の大きな見直しと、よりヴィンテージに近づけたディテールの復刻があります。これにより、2014年は「ヒスコレの当たり年」として、多くのファンやプレイヤーの注目を集めました。
この年の最大の特徴は、「True Historic(トゥルーヒストリック)」の前段階として、1950年代後半のオリジナル・レスポールの仕様をより忠実に再現した点です。ニトロセルロースラッカーの塗装や、ボディとネックの接合部分の角度調整、ロングテノンの使用、さらにはハンドワイヤード配線やバンブルビーコンデンサーの採用など、従来モデルから一歩進んだ作り込みが実現されました。
また、2014年モデルはパーツにもこだわっており、ブリッジやチューナーに至るまでヴィンテージ感を重視した設計が施されています。これにより、音のレスポンスやサスティン、トーンの太さが一段と向上しました。例えば、アルニコIIIやVのピックアップはミッドレンジの厚みと高音域の抜けを両立し、ヴィンテージギターに迫る音色を生み出します。
プレイヤー視点でもメリットは多く、次のような特徴が評価されています:
- ヴィンテージに近い弾き心地と重量バランス
- 経年変化に強い塗装と材質
- 再現度の高いルックスとトーン
ただし、価格もそれに比例して高騰しているため、購入を検討する際はコストとのバランスも意識する必要があります。中古市場では2014年製ヒスコレが安定して高値を維持しており、資産価値としても注目されています。
つまり、2014年モデルは「音・外観・仕様」の三拍子が揃ったバランスの良い当たり年です。特に「ヒスコレらしさ」にこだわる方には、非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
レスポール トラディショナルとスタンダードの違い
ギブソン・レスポールには「トラディショナル(Traditional)」と「スタンダード(Standard)」という2つの人気モデルがあります。一見するとよく似た仕様に見えるかもしれませんが、実際には設計思想からパーツ構成、サウンドの傾向まで大きく異なります。
トラディショナルは、その名の通り“伝統的な仕様”を大切にしたモデルです。ウェイトリリーフ(軽量化加工)を行っていないソリッドボディを採用しており、重量はややありますが、その分音の太さとサスティンが際立ちます。ピックアップにはPAF系の暖かみのあるトーンを持つタイプが多く使われており、クラシックロックやブルース、ジャズなどで存在感を発揮します。
一方で、スタンダードは時代に合わせて常に仕様を進化させてきたモデルです。現行のスタンダードは、モダンウェイトリリーフ(軽量加工)やコンター加工などを施し、プレイアビリティを高めています。ピックアップにはBurstbucker Proなど、より現代的な音作りに適したものが搭載され、クリアでヌケの良いサウンドが特徴です。
以下に、主な違いを表にまとめます:
項目 | トラディショナル | スタンダード |
---|
ボディ構造 | ソリッド(無加工) | モダンウェイトリリーフ(軽量加工あり) |
ネック形状 | やや太めで50s寄り | スリムテーパーで現代的 |
サウンド傾向 | 太くて温かみのあるトーン | 抜けが良く、クリアなサウンド |
ピックアップ | PAF系(クラシック寄り) | Burstbucker系(モダン寄り) |
重量感 | 重め | 軽量化されている |
このように、どちらが優れているというよりも「どういったサウンドや演奏性を求めているか」によって選ぶべきモデルが異なります。伝統的なレスポールらしい重量感とトーンを求めるならトラディショナル、軽快な演奏性とモダンな音を重視するならスタンダードが最適です。
購入を検討する際には、店頭で両者を比較試奏することを強くおすすめします。スペックだけで判断するのではなく、自分の演奏スタイルやジャンルにどちらがマッチするかを実際に体感することが、納得のいく選択につながります。
ギブソン レス ポール スタンダード 90年代の評価
1990年代のギブソン レス ポール スタンダードは、今日に至るまで根強い人気を誇る年代の一つです。その評価の背景には、製造品質の安定性や、音の個性、パーツ構成のバランスの良さが挙げられます。当時のモデルは、「現代的なプレイアビリティ」と「クラシックなサウンド」をうまく両立していたことで、多くのプレイヤーに支持されました。
90年代初頭のレスポールスタンダードには、比較的太めのネックグリップと、アルニコIIマグネットを使用した「490R/498T」ピックアップが搭載されていました。この構成により、ウォームで厚みのある中域と、エッジの効いた高音が特徴的なサウンドが得られます。ハードロックやオルタナティブロックが隆盛を迎えていた時期において、このサウンド特性は非常にマッチしていたのです。
また、1990年代のモデルは木材の質にも定評があります。まだスモールショップ的な製造体制が残っていたため、木目の美しいメイプルトップや、乾燥状態の良いマホガニーバックが多く採用されていました。さらに、現在のような大規模な軽量化加工(モダンウェイトリリーフ)が入る前の時代でもあり、サスティンや音の密度が高い点も魅力の一つです。
主な特徴を以下にまとめます:
- 490R/498Tのパワフルで扱いやすいピックアップ
- 太めのネックプロファイル(後期はややスリム)
- 重量があり、サスティン重視のボディ構造
- 木材の質が比較的高く、外観・音ともに安定している
一方で、ネックが太く重量もあるため、手の小さな方や長時間の演奏には疲労を感じることもあります。ここは注意すべきポイントです。
現在でも中古市場で高い人気を維持しており、状態が良いものはプレイヤーだけでなくコレクターからの需要も高い傾向にあります。特に1993~1995年製あたりは製造精度の安定度が高く、「当たり個体」が多いとされています。
このように、90年代のレスポールスタンダードは“ヴィンテージの入口”として非常にバランスが取れた存在です。音、見た目、信頼性の三拍子が揃った実力派ギターとして、今なお高く評価されています。
ギブソン レスポール スタンダード 当たり年と市場価値の関係
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- ギブソンのレスポールの当時の価格を振り返る
- ギブソンのレスポールの買取相場の実情
- ギブソンレスポールスタンダード中古の選び方
- レスポール 年代の見分け方をマスターする
- レス ポール クラシックが安い理由を解説
- ギブソンのハズレ年とハズレ個体の見極め方
ギブソンのレスポールの当時の価格を振り返る
ギブソンのレスポールは時代とともに価格が大きく変動してきました。特にヴィンテージ市場が盛り上がった1990年代以降、価格の上昇は顕著で、今では信じられないほど安価に手に入った時代も存在します。
例えば、1959年製のオリジナル・レスポール・スタンダード、いわゆる「バースト」は、当時の定価が約265ドル(現在の日本円で3~4万円前後)でした。これは一般的なサラリーマンの1か月分の給与以下であり、現在の価値からは想像もできないほど手に届く価格帯だったのです。しかし現在では、この59年製バーストは数千万円で取引されることも珍しくありません。
一方、1980年代から1990年代にかけてのレスポール・スタンダードは、日本国内で新品価格が15〜25万円程度でした。当時は円高の影響もあり、海外ブランド品が比較的安価に輸入されていたことも要因です。この価格帯で入手できたギターが、現在では中古市場で30〜40万円台にまで高騰していることを考えると、非常にコストパフォーマンスに優れた時代だったと言えます。
価格推移のイメージは以下の通りです:
年代 | 新品定価(日本円) | 現在の中古相場(概算) |
---|
1950年代 | 約3〜5万円相当 | 数百万〜数千万円 |
1980年代 | 約15〜18万円 | 25〜35万円 |
1990年代 | 約18〜25万円 | 30〜45万円 |
2000年代以降 | 約25〜35万円 | 状態により変動 |
ただし、価格の推移には「為替の影響」「モデルの仕様変更」「限定モデルの有無」なども大きく関係しています。特にヒストリックコレクションやアニバーサリーモデルが登場すると、それに連動して中古市場全体の相場も変動しやすくなります。
このような価格の歴史を理解することで、自分がどの年代のモデルを狙うべきか、投資的価値があるのかなどを判断しやすくなります。現在でも「当時の価格を知っていれば…」という声が少なくありません。それだけ、レスポールは時代とともに価値を増してきたギターなのです。
ギブソンのレスポールの買取相場の実情
ギブソンのレスポールは、そのブランド力とサウンドの完成度から中古市場でも非常に人気が高く、買取相場は安定しています。ただし、モデルや年代、状態によってその価格は大きく異なるため、相場の「実情」を正しく把握しておくことが重要です。
まず、現行モデルのレスポール・スタンダードであれば、使用状況にもよりますが、概ね10万~20万円前後での買取が主流です。新品で購入すると40万円以上するモデルもありますが、使用感やパーツ交換の有無により査定額は下がる傾向にあります。一方で、使用感が少なくオリジナル状態を保っている個体であれば、高額査定につながることも珍しくありません。
一方、ヴィンテージやヒストリックコレクションなどの特別モデルは別格です。例えば、2000年代のヒストリック・コレクションで保存状態が良いものは、30万円以上での買取になることもあり、1950年代や60年代のオリジナルであれば、数百万円規模の価格がつくこともあります。ただし、これらは真贋のチェックや状態評価がシビアになるため、専門のヴィンテージショップでの査定が必要です。
以下のように、モデル別のおおよその買取相場は次の通りです:
モデル・年代 | 買取相場の目安 |
---|
レスポール・スタンダード(近年モデル) | 10万〜20万円程度 |
レスポール・クラシック(90年代) | 12万〜18万円程度 |
レスポール・ヒスコレ(2000年代) | 25万〜35万円程度 |
オリジナルバースト(1959年製など) | 数百万円〜 |
買取に出す際の注意点としては、改造の有無、オリジナルパーツの残存率、純正ハードケースの有無などが査定に大きく影響します。オリジナリティを保っている個体は価値が高く、逆に改造されていると数万円単位でマイナス評価になることもあります。
このように、ギブソンのレスポールは高いブランド価値を持ちながらも、査定では細かな要素が重視されます。売却を検討している場合は、相場を理解した上で複数の専門店で見積もりを取り、納得のいく価格で手放すことがポイントです。
ギブソンレスポールスタンダード中古の選び方
ギブソンレスポールスタンダードの中古品を選ぶ際は、「見た目」や「価格」だけで判断するのではなく、モデルごとの特徴や使用歴の確認が極めて重要です。なぜなら、中古のレスポールは一本ごとに個体差が大きく、同じ年式・モデル名であってもサウンドや演奏性が大きく異なる場合があるからです。
まず確認すべきは、製造年とモデルの仕様です。例えば、2000年代前半のレスポールスタンダードはネックがやや太めで重量もある一方、2012年以降はウェイトリリーフ構造が改良され、取り回しがよくなっています。プレイスタイルや好みに合わせて、どの年代が自分に合うかを知ることが第一歩です。
次に見るべきはフレット残量やネックの状態。フレットが極端に減っている個体は、演奏時のチューニング精度や押弦の感触に影響を及ぼします。また、ネックに反りやねじれがあると修正が難しいため、信頼できる店舗でチェックしてもらうのが安全です。
以下は中古レスポールスタンダードを選ぶ際のポイントです:
- 製造年と仕様(ピックアップ、ウェイトリリーフ、ネック形状)
- フレット残量とネックのコンディション
- オリジナルパーツの有無(ピックアップ、ペグ、ブリッジなど)
- 傷や打痕、塗装の状態
- 正規輸入品か並行輸入品か(保証の有無が異なる)
さらに、演奏前提での購入であれば、実際に弾いてみることが最も重要です。同じモデルでも「鳴り」が大きく異なるため、試奏して「自分の手に馴染む一本」を選ぶことで後悔の少ない買い物につながります。試奏できない通販の場合は、信頼性のある中古楽器店を選び、状態を詳しく確認しましょう。
このように、中古のギブソンレスポールスタンダードは慎重に選ぶことで、コストを抑えつつ理想的な一本に出会うことができます。新品では得られない味わいや、熟成されたトーンに価値を感じる方には特におすすめの選択肢です。
レスポール 年代の見分け方をマスターする
レスポールギターの年代を正確に見分けることは、中古市場で信頼できる一本を選ぶために非常に重要です。特にギブソン製の場合、仕様変更や限定モデルが多いため、製造年ごとの特徴を把握することで、価値や音の傾向をより深く理解できます。
まず基本として知っておきたいのがシリアルナンバーの読み方です。ギブソンでは1977年以降、「8桁」の数字が主に採用されており、最初の1〜2桁が製造年を示します。たとえば「91123456」という番号であれば、最初の「91」が1991年製であることを表しています。ただし、1970年代以前のモデルや一部カスタムショップ製品は例外も多く、別のルールが適用される場合があります。
以下に主な年代別の見分け方を簡単に整理します:
年代 | 主な特徴 |
---|
1950年代 | ゴールドトップ、バースト仕上げ、PAFピックアップ搭載 |
1960年代 | スリムネック、チェリーレッドサンバースト多し |
1970年代 | 3ピースネック、ボリュート付き |
1980年代 | Tim Shawピックアップ登場、再生期 |
1990年代 | スタンダード化、モダン仕様への移行が進む |
2000年代以降 | ウェイトリリーフ構造、チューナー自動化など |
さらに、ボディの内部構造やピックアップ、ヘッドの形状などにも時代ごとの変化が見られます。例えば、90年代までは比較的重量のあるソリッドボディが主流でしたが、2000年代以降は軽量化が進み、チェンバード構造が導入されました。
見た目だけでなく、パーツの刻印やロゴのデザインも有効な手がかりです。たとえば、70年代のモデルでは「Made in USA」の刻印が裏面に加わっていたり、80年代には一部ペグがシャーラー製になっていたりと、細部に違いが現れます。
このように、レスポールの年代を正しく見分けるには、シリアル番号だけでなく、仕様・構造・パーツなど複数の視点から確認することが重要です。購入前にチェックポイントを押さえておくことで、価値ある一本を見極める力が身につきます。
レス ポール クラシックが安い理由を解説
レスポール・クラシックが、他のスタンダード系モデルに比べて相対的に安価である理由には、いくつかの構造的・市場的な要因があります。安い=低品質という誤解を持たれがちですが、実際には仕様や目的の違いによる価格設計であり、決して粗悪品というわけではありません。
まず、レスポール・クラシックはオリジナルの60年代モデルを現代的に再現した設計が特徴です。そのため、スリムテーパーの細身ネックや、やや軽量なボディ構造が採用されています。これにより、モダンプレイヤーにとっては演奏性が高く扱いやすい反面、ヴィンテージトーンを重視する層からは評価が分かれることがあります。
また、ピックアップの違いも価格に影響しています。クラシックには、一般的に高出力なセラミックマグネットのピックアップが搭載されており、現代的な歪みに強いサウンドを志向しています。一方、スタンダードやヒストリックコレクションでは、アルニコ系マグネットのピックアップが使われ、よりヴィンテージ志向の音を追求しています。
さらに、コストダウンの要素として以下のような点が挙げられます:
- ボディやネックの加工精度は高いものの、使用木材がスタンダードよりグレードが低い場合がある
- ネックバインディングのエイジング加工がない(年式による)
- トップ材のフレイムが控えめなものも多い
- 製造工程の簡略化による人件費削減
これらの要素が合わさり、クラシックは価格帯として10万円台〜20万円台前半で流通していることが多く、初めてのギブソンとして手が届きやすいモデルになっています。
一方で、レスポールクラシックは、その扱いやすさやモダンな仕様を評価するプレイヤーも多く、ジャンルを問わず実用性が高い点ではむしろメリットです。特にハードロックやメタルなど、出力の高いサウンドが求められる場面では、クラシックの高出力ピックアップが真価を発揮します。
このように、クラシックが安価であるのは「価値がない」からではなく、「ターゲットとするプレイヤー層と設計思想が違う」からです。目的が合えば、非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
ギブソンのハズレ年とハズレ個体の見極め方
ギブソン・レスポールは世界中のギタリストに愛されている名器ですが、すべての製造年・個体が同じクオリティとは限りません。特に「ハズレ年」と呼ばれる時期や「ハズレ個体」の存在については、中古市場でもたびたび話題になります。ここでは、それらを見極めるためのポイントを具体的に解説します。
まず、ギブソンにおける「ハズレ年」とは、主に製造品質や仕様の変更がマイナス評価を受けた時期を指します。代表的な例としては、1970年代中盤〜1980年代前半の一部モデルが挙げられます。この時期はノーリン社傘下で生産されたことで知られ、以下のような仕様変更が起こりました:
- ボリュート(ネック裏の出っ張り)追加
- 3ピースネック構造
- 重量増加によるサスティンの変化
- 質のばらつきが目立つ仕上げ
これらの仕様が、ヴィンテージトーンや伝統的な構造を求めるプレイヤーから否定的に見られたため、一部で「ハズレ年」と言われるようになりました。ただし、全ての個体が悪いわけではなく、当たりの個体も当然存在する点には注意が必要です。
一方、「ハズレ個体」とされるギターには、以下のような特徴が見られます。
- ネックの反りやねじれが初期状態で発生している
- フレットの打ち方が甘く、バズが生じやすい
- 塗装ムラやバインディングの浮きなど、外観の品質に問題がある
- ピックアップの出力が左右で大きく異なる
- ボディ鳴りやサスティンが極端に弱い
このようなハズレ個体は、見た目だけでは分かりにくいため、購入前のチェックが非常に重要です。特に中古品を選ぶ際は、以下の点を確認することをおすすめします。
- シリアルナンバーで製造年と工場を確認
- 実際に音を出してサスティンやバランスを体感
- ネックの状態(反り・ねじれ)を目視および触感で確認
- フレットの減り具合やナットの加工精度
- ボディ全体の仕上げ状態やパーツの取り付け精度
さらに、ショップがリペア・調整済みであるか、保証がついているかも見逃せないポイントです。
このように、「ハズレ年」「ハズレ個体」と言われるものにはそれぞれ理由がありますが、逆に言えば知識とチェックポイントを押さえておけば避けられるということでもあります。見た目や価格だけで判断せず、細部まで目を向けて選ぶことで、長く付き合える一本に出会える可能性が高まります。
(まとめ)ギブソン レスポール スタンダードの当たり年を年代別に比較してわかる選び方
記事のポイントをまとめます。
- 1958〜1960年製の「バースト」はレスポールの最高峰として評価が高い
- 90年代後半〜2000年代初頭は品質管理が安定しており現行モデルの中で「当たり年」とされる
- 1994年、1999年、2002年製は音・構造ともに優れた個体が多い
- 2013〜2014年のヒスコレは仕様再現度が高く人気が再燃している
- 50sスタンダードは太めのネックで温かみのある音が特徴
- 60sスタンダードは細めのネックで抜けの良いモダンサウンドに適している
- 2014年製ヒスコレはヴィンテージ再現性が高く「当たり年」とされている
- トラディショナルは重量感とサスティン重視の伝統仕様
- スタンダードは軽量加工と現代的サウンドを意識したモデル
- 90年代スタンダードは木材の質やパーツ構成がバランス良く評価されている
- 当時の価格は1950年代で3〜5万円、90年代で18〜25万円程度だった
- 中古市場では1990年代のスタンダードが高値で安定している
- 買取相場はモデル・年式・状態で大きく異なるため事前確認が必須
- 中古レスポールは仕様・状態・個体差を確認することで良品を見つけやすい
- ハズレ年やハズレ個体の見極めにはネック状態・パーツ精度・鳴りの確認が重要