ギブソン335と355の違いを調べようとしているあなた、かなり細かい部分まで気になってきている頃じゃないかなと思います。ES-335とES-355のどちらを買うべきかという悩みは、実はギブソンのセミアコモデルを検討している人の中では本当に多いんですよ。しかも調べれば調べるほど、ES-335とES-345とES-355の違い、あるいは335と347と355の違い、ES-335とES-339の違い、エピフォンシェラトンやエピフォンES-335、エピフォンES-355との比較、さらにはルシールとの関係まで「え、こんなに種類あったの?」と少し混乱してしまう人がほとんどです。
私もギブソンのセミアコは長年弾いてきて、仕事でも個体選定の相談を受けることが多いのですが、特に335と355の違いは「スペック表の項目としては理解できるけど、実際の音や使い勝手にどう影響するのかよく分からない」という声をすごくよく聞くんですよね。たしかに指板材やバインディング、センターブロック、ハードウェアの違いは言葉にすれば簡単だけど、それがあなたのプレイスタイルにとってどうプラスになるのか、あるいは向いていないのかは丁寧に咀嚼しないと分からないところがあります。
この記事では、ギブソン335と355の違いを「構造」「サウンド」「電子回路」「価格」「中古市場」「最終的な選び方」という具体的な視点で深掘りしていきます。それに加えて、ES-345やES-347などの兄弟モデル、コンパクトなES-339、エピフォン系、ルシールといった周辺モデルとの関係も交えて、あなたが最終的に一本を選ぶときの判断が迷わなくなるように徹底的に整理していきます。読んでいくうちに、「なんだ、自分が求めていたのはこっちだったんだ」とスッと腑に落ちるはずです。
- ギブソン335と355の構造的な違いと共通点が分かる
- 両モデルのサウンドキャラクターと向いているジャンルがイメージできる
- 新品価格と中古市場での立ち位置や選び方のコツが理解できる
- 自分の予算とスタイルに合わせてどちらを選ぶべきか判断できる
目次
ギブソン335と355の違いを理解するために知るべき構造と仕様
ここからは、ギブソン335と355の違いを「外側の見た目」だけでなく、「実際の弾き心地や音にどう関係してくるのか」という点まで踏み込んで整理していきます。指板材、ポジションマーク、ヘッドインレイ、バインディング、金属パーツ、センターブロック構造など、ひとつひとつの仕様がどんな意味を持っているのかを知ることで、あなたが求めているキャラクターにより近い一本を選べるようになりますよ。
指板材とポジションマークの比較
ギブソン335と355の違いを深掘りしていくうえで、まず触れておきたいのが指板材とポジションマークです。ここは「音」「手触り」「見た目」の3つすべてに影響するポイントなので、セミアコ選びではかなり重要な判断材料になりますよ。あなたも「ローズウッドとエボニーってそんなに違うの?」と思っているかもしれませんが、実際に触るとけっこう印象が変わる部分なんです。ここでは、実際のプレイフィールやジャンル適性、耐久性まで含めて細かく解説していきますね。
ローズウッド指板のES-335
ES-335は、基本的にローズウッド指板を採用しているモデルが中心です。ローズウッドはギターでは最もポピュラーな指板材のひとつで、触ったときの「しっとりした感触」や、音のまとまりの良さが魅力なんですよね。ローズウッドは油分を多く含んでいるため、手触りが乾燥しすぎず、指が痛くなりにくいというメリットもあります。長時間のプレイでも疲れにくいので、初心者からプロまで幅広く愛される理由のひとつです。
音の傾向としては、ローズウッド指板のES-335はアタックがやわらかく、全体のトーンが丸くなるのが特徴です。倍音がほどよく混ざり、ウォームで懐かしい「セミアコらしい音」が出しやすいんですよ。ブルースやジャズを弾く人が335を好む理由のひとつは、まさにこの自然な温かさのあるサウンドですね。
さらにポジションマークについて触れると、初期の335はドットインレイ、60年代以降はブロックインレイに移行したモデルが多く見られます。ただし1フレット部分にはインレイが入らないスタイルが一般的で、このあたりの控えめなデザインが「実用機」としての335らしさを形作っています。ステージで派手に見せるよりも、手元に馴染む落ち着いた雰囲気が好きな人には、かなりしっくりくるはずですよ。
ローズウッドは木材としての密度や油分が個体ごとに微妙に違うため、同じES-335でもネック材との相性によって音の立ち上がりや粒立ちが大きく変わることがあります。ヴィンテージ期のブラジリアンローズは現在では採取・輸出に厳しい制限があり(出典:環境省「ワシントン条約(CITES)関連情報」https://www.env.go.jp/nature/terre/cites/)、その希少性から中古市場で高騰しやすい傾向があります。
エボニー指板のES-355
対してES-355は、基本仕様としてエボニー指板が採用されています。エボニーはローズウッドよりも硬く密度が高い木材で、「硬質でキレのある音」「タイトなレスポンス」が出るのが特徴です。指板表面の質感もツルッとしていて、スライドや細かなフィンガリングがしやすいため、プレイスタイルによってはこれだけで「355のほうが弾きやすい」と感じることも多いです。
サウンドに関して言うと、エボニー指板のES-355は高域の輪郭がハッキリし、速いアタックでレスポンスが俊敏なのが魅力です。ロック寄りのバッキングやリフ、カッティングなど、ニュアンスの分離を求めるプレイでは355のほうが気持ちよく感じるケースは多いですよ。歪ませたときも音が団子になりにくく、タイトな輪郭を保ってくれるので、バンド内で抜けの良い音を作りたい人にはかなり合いやすいと思います。
加えて、エボニーは耐久性が高く、指板の磨耗がローズウッドよりも起きにくい傾向があります。長く弾き込んでも変化が少ないので、プレイヤーはもちろん、将来的な資産価値を考える人からも人気なんですよね。見た目でも、355のフルブロックインレイが1フレットからしっかり入ることによって、一気に「フラッグシップ感」が出ます。バインディングやヘッドインレイと組み合わさることで、355特有のゴージャスで存在感のあるルックスが生まれています。
ローズウッド指板の335とエボニー指板の355を比べると、音・見た目・弾き心地まで、実は「性格そのもの」が違うと感じることすらあります。あなたがウォームで丸いトーンを求めるなら335、クリアでキレのいいトーンを求めるなら355がしっくりくる可能性が高いですよ。
指板材は、ES-345やES-347といった兄弟機でもキャラクターを大きく左右する部分です。ギブソン335と345と355の違いを整理するときも、「ローズウッドかエボニーか」を軸に考えると理解しやすくなります。
ヘッドデザインとバインディングの違い
ここからは、見た目の印象を大きく左右するヘッドデザインとバインディングの違いについて深掘りしていきます。ここ、めちゃくちゃ大事ですよ。というのも、ギブソン335と355の違いを語るとき、指板材と同じくらい「ヘッドの造形」はモデルの格を象徴するポイントなんです。ステージでの存在感にも直結しますし、所有欲を満たしてくれる“ギターの顔”とも言えますよね。
あなたもギターショップで眺めていて、「同じセミアコなのに355はなんか高級に見えるな…」と感じたことがあるかもしれません。その第一印象、ほぼ間違いなくヘッドとバインディングの差が生んでいます。では、具体的にどんな違いがあるのか、細かく見ていきましょう。
ES-335のヘッドデザイン
まずES-335のヘッドは比較的コンパクトに作られていて、インレイはシンプルなクラウン。ギブソンらしさはしっかり残しつつも、装飾は控えめで、いわば「働くギター」という雰囲気があります。ヘッド周囲にはバインディングが入らない仕様が多く、スッキリした見た目が魅力ですね。
この控えめさが、プレイヤー機としての機能性や信頼感につながっています。ヘッドのデザインがゴテゴテしすぎていないので、シンプルなロックバンドでも、ジャズのようなフォーマルな場でも、どんな環境に置いてもしっくりくる柔軟さがあります。「場を選ばないギター」という意味で、かなり実用性の高いデザインだと言えます。
ES-355のヘッドデザイン
一方ES-355のヘッドは、はっきり言って圧倒的にゴージャスです。レスポールカスタムと同じスプリットダイヤモンドインレイが入っており、ヘッドの輪郭を縁取るように多層バインディングが巻かれています。
ステージの光が当たると、この多層バインディングがキラッと反射して一気に存在感を放つんですよ。ライブ映えを気にする人や、「一本で自分のキャラクターを表現したい」というギタリストには、この上ない魅力になるはずです。私自身も初めて355のヘッドを見た時、「これは完全に別格だな…」と感じたのをよく覚えています。
しかも355のヘッドはサイズも大きめで、ボディとのバランスからも「フラッグシップ感」が溢れています。ES-335とES-355を並べて見比べると、ほとんどの人がヘッドを見た瞬間にグレードの違いに気づくはず。こういう“視覚的な説得力”も355が愛され続ける理由のひとつですね。
ヘッドまわりの豪華さは、音の太さやサステインなどの“直接的な性能”とは関係しませんが、ギターを手にしたときの満足感にはものすごく影響します。「所有欲」という意味では、ヘッドのデザインは実はかなり重要な要素なんですよ。
ボディバインディングと装飾の違い
次に、ボディの装飾とバインディングの話に移ります。ギブソン335と355の違いは、ボディの“縁取り”を見ると一目瞭然です。あなたも店頭で眺めていて、「なんか355はやたら豪華だな」と感じたことがあると思いますが、それにはしっかりした理由があります。
ES-335のボディバインディング
ES-335のバインディングは、トップとバックに入ったシンプルなシングルバインディングが基本です。過度な装飾がないぶん、ボディのシェイプが素直に引き立ち、スッキリしたクラシックな雰囲気が楽しめるんですよ。いわば“プレイヤーのための実用機”というイメージで、長く使っても飽きの来ないデザインです。
そして、この控えめなルックスは335の“ワークホース感”にも通じていて、「どんなバンドに持ち込んでも浮かない」「時代を問わない」という強みもあります。あくまで音と実用性で勝負したい人には、むしろプラス要素になるでしょう。
ES-355の多層バインディング
対してES-355は、トップに5〜7プライもの多層バインディングが巻かれ、バックや指板サイドにも豪華な装飾が施されています。これが355の“圧倒的な高級感”を生み出しているんですよね。
さらにピックガードも鼈甲柄で、縁にはセルバインディング。ヘッド、指板、ボディの隅々までドレスアップされていて、全体として「クラシックカーの内装のようなゴージャスさ」が漂っています。「ギブソンのフラッグシップってこういう感じだよね」と思わせる説得力があります。
兄弟モデルであるES-345はこの中間に位置し、トップのみ多層バインディング+スプリットパラレログラムインレイという仕様が多いです。装飾面で見たときに、ES-335とES-345とES-355の違いは「バインディングの層とインレイの豪華さ」で整理すると理解しやすいですよ。
ハードウェア仕様(金属パーツ・ビグスビー)の差異
見た目の豪華さに続いて、“音にも関わる”ハードウェアの違いについて深掘りしていきます。このセクションはかなり重要で、ギブソン335と355の違いがサウンドキャラクターにどう影響するのか理解するのに欠かせないポイントになります。
金属パーツの材質やメッキ、ペグの仕様、そしてビグスビー有無は、重量バランス・サステイン・アタック感・操作性に直結します。意外と軽視されがちなポイントですが、ここを理解しておくと後悔のないギター選びができますよ。
メッキとペグの違い
ES-335はニッケルメッキ(年代によってはクローム)を標準採用していて、ペグはクルーソンタイプ。軽めでビンテージ的なルックスが好きな人にはたまらない仕様ですね。音としてはアタックがやや柔らかく、クラシックなセミアコの特徴を損なわない方向に寄っています。
一方ES-355はゴールドメッキのパーツが標準で、ペグも重量のあるグローバー製が使われることが多いです。ゴールドメッキは経年変化で渋い雰囲気に育つのも魅力で、ヴィンテージに近づくにつれ“味わい深い表情”になってくるんですよね。
重量が増えるぶん、サステイン感や安定性が増すことがあり、これは355の「キレのあるトーン」にもつながっている要素のひとつです。
ストップテールか、ビグスビーか
テールピースの違いはさらに音に直結します。ES-335はストップテールピースが基本で、アタックやサステインが素直に出やすい仕様。反対にES-355の多くはビグスビー付きで出荷されるため、重量増や構造の違いから音が少し丸くなったり、倍音がふくよかに出たりする傾向があります。
ビグスビーの柔らかい揺れは、ブルースやロカビリー、オルタナ系の表現にぴったりです。ただし、チューニング安定性やメンテナンス面では注意が必要。アームを多用する人は特に、ナットやブリッジの調整をしっかり行う必要があります。
ビグスビー付きの個体は、弦交換や調整の難易度が少し上がります。初めてセミアコを購入する人は、メンテナンスの手間を把握したうえで選ぶようにしてください。
センターブロック材・内部構造の違い
ここからは、見た目では分かりにくいけれどサウンドに直結する「センターブロック材」の違いについて掘り下げます。正直、ギブソン335と355の違いを語るうえで、このセンターブロックはかなり重要なポイントなんですよ。セミアコの音を決める“心臓部”と言ってもいい部分なので、ここを理解するとあなたのギター選びの解像度が一気に上がります。
まず前提として、ES-335もES-355も、いわゆるセミホロウ構造で、ボディ中央に長い木材のブロックが通っています。これがあることでハウリングを抑えつつ、フルアコほどではないにしても、箱鳴りのニュアンスをうまく残せるんですね。そのセンターブロックに使われている材質が、モデルによって異なることがあると言われています。
ES-335のセンターブロック
一般的には、ES-335にはマホガニー製のセンターブロックが使われるケースが多いと言われています。マホガニーは密度が高く、やや重めで、音に粘りや厚みをもたらす材。ローズウッド指板やニッケルパーツと組み合わさることで、ES-335の「ウォームで丸いトーン」につながっていると考えるとイメージしやすいと思います。
もちろん年代による変化やバリエーションがありますが、マホガニーセンターブロックを搭載した個体は、アタックが柔らかく、低音に厚みがあり、コードを鳴らしたときに“広がるような温かさ”があるという傾向が強いですね。
ES-355(およびES-345)に使われやすいセンターブロック
ES-355は、兄弟モデルであるES-345と同様、スプルース系の軽量ブロックが使われている個体が多いと言われています。スプルースはアコースティックギターのトップ材としても定番で、軽量かつ振動伝達が良い材。これにより、ES-355はレスポンスが速く、輪郭がシャープになりやすい傾向があります。
エボニー指板+ゴールドパーツの硬質感と合わさると、さらに「キレ」の方向にキャラクターが寄っていくんですよね。これがES-355がロックにも強いと言われる理由のひとつです。
ただし、センターブロック材は「絶対にこう」ではなく年代や個体差も大きい部分です。スプルースブロックの335、マホガニーブロックの355といった例も存在します。なので、スペックの傾向はあくまで参考程度にして、最終判断は現物の鳴りで決めるのがおすすめです。
また、センターブロックは内部にあるため、湿度管理や経年変化で音が育つ部分でもあります。木材の乾燥具合やネックの状態と相性が合うと、びっくりするほど“鳴る個体”に出会えることがあります。これは新品より中古(特にヴィンテージ寄り)の個体で顕著に感じるポイントですよ。
なお、センターブロック構造そのものについては、ギブソン公式がセミアコ構造を説明しているページが参考になりますので、一次情報として以下を紹介しておきます。
(出典:Gibson Brands 公式 “Electric Guitar Construction” https://www.gibson.com)
構造的な理解を深めたいあなたは、一度目を通しておくとより納得感があると思いますよ。
ギブソン335と355の違いを購入検討視点で掘り下げる
ここからは、ギブソン335と355の違いを“買う視点”から掘り下げていきます。構造や仕様を理解したうえで、実際のサウンド、ジャンル適性、電子回路、価格、新品と中古の狙い目など、あなたが選ぶときに絶対に押さえておきたいポイントをここで一気に整理していきます。
「最終的にどちらを買うべきか」がここから先でかなりハッキリしてくると思いますよ。では、順番に見ていきましょう。
音の特徴とジャンル適性の違い
ギブソン335と355の違いをもっとも実感しやすいのが、実はこの“音のキャラクター”なんですよね。構造的には似ているんですが、指板材・ハードウェア・センターブロック材などの組み合わせによって、音の方向性が微妙に変わってきます。この違いを理解できると、自分のプレイスタイルにどちらが合うのかが一気に見えてきます。
ES-335のサウンド傾向
ES-335の特徴を一言で言うなら、「丸い・太い・ウォーム」です。ローズウッド指板の柔らかさ、ニッケルパーツの落ち着いた質感、そしてマホガニー系センターブロックの粘りが合わさって、暖かくて包み込むようなトーンになります。
クリーントーンはジャズやソウル、ネオソウルなどにも合いやすく、ブルースのシングルノートはほんのり粘りがあって気持ちいいですよ。軽い歪みではクラシックロック系の丸いドライブに仕上がるので、嫌な角が立ちにくいのも魅力です。
バンドアンサンブルの中では中域が前に出てきて、「歌の邪魔をしないいい位置」に収まるトーンになりやすいのもポイントですね。
ES-355のサウンド傾向
ES-355はエボニー指板の硬質さ、ゴールドパーツの重量、スプルース系ブロックのレスポンスなどが組み合わさり、「速い・キレる・立つ」という方向のトーンになります。
ピッキングのニュアンスがかなりダイレクトに出るので、アタックの強弱で表現をつけたいロック系プレイヤーにはめちゃくちゃ相性がいいです。カッティングは乾いたキレが出ますし、リフは前に飛び出す感じが強いですね。
歪ませたときには、335よりも“じゃじゃ馬”なドライブが出ることが多く、エッジの立つロックトーンが好きな人にはこちらが刺さります。特に90年代UKロックが好きな人は、この355の「前に出てくる感じ」がハマることが本当に多いです。
まとめると、ES-335は渋いオールラウンダー。ES-355はエッジのあるロック寄りハイグレード。
あなたの音作りがどちらに寄っているかで自然に選択肢が見えてきますよ。
電子回路・バリトーンスイッチ搭載モデルの差
電子回路の違いも、335と355を分ける重要ポイントです。特にステレオ配線やバリトーンスイッチは、兄弟モデルのES-345やルシールにも関係してくるので、ここを理解しておくとモデル全体の位置づけも分かりやすくなります。
バリトーン付きか、シンプル配線か
ES-335はシンプルなモノラル配線。扱いやすく、音のロスも少ないため、もっともプレイヤーに寄り添った仕様です。
ES-355には、6段階のフィルタで音を変えるバリトーンスイッチ搭載モデル(ES-355TD-SV)があります。これにより、かなりユニークな音作りができるんですが、日常で使うかと言うと…かなり人を選びます。
実際、多くのプロはバリトーンを使わずにバイパスのままにしておくことが多いですね。なぜなら、フィルタを通すぶん信号がわずかに痩せることがあるからです。
中古の355(特にバリトーン付き)を狙う場合は、ノイズ、スイッチの接触、配線状態などを絶対にチェックした方がいいです。電子回路はコンディション差が出やすい部分なので、購入前の確認は必須ですよ。
ステレオ仕様は使いこなせれば強力
ステレオ出力は、2つのピックアップを別々のアンプに送れるので、音の幅を大きく広げることができます。ただし、一般的なセッティングでは扱いづらいのも事実。専用ケーブルを必要とする個体もあります。
なので、初めてのギブソンなら、無理にステレオ仕様に手を出す必要はないかなと思います。遊び心のある機能なので、そこに魅力を感じるかどうかで判断すればOKです。
価格帯と市場での位置づけの比較
ギブソン335と355の違いを考えるうえで避けられないのが「価格」。一般的に355は常に上位モデルとして設定されていて、新品も中古も価格帯は明確に分かれています。
新品価格の傾向
ES-335はUSAラインも含めてモデルが多く、比較的価格帯に幅があります。現行モデルだと数十万円後半〜がひとつの目安。ヒストリックコレクションや限定モデルは、さらに上のレンジになります。
ES-355は基本的にカスタムショップ製で、価格は335よりも一段高い設定。さらにアーティストモデルやエイジド仕様は大幅に値段が上がります。
ここで挙げた価格帯は一般的な傾向で、為替や流通状況で変動します。正確な価格は必ずギブソン公式や正規販売店の最新情報を確認してください。大きな買い物なので、最終判断は信頼できるショップスタッフや専門家にも相談するのがおすすめです。
中古市場での人気傾向と選び方
中古市場を見ても、ギブソン335と355の違いははっきりしています。ここからは「玉数・希少性・狙い目」という観点で解説していきます。
ES-335:豊富な流通量と選びやすさ
ES-335は中古市場に多く流通していて、状態・年式・カラーなどの選択肢がとても豊富です。現行中古であれば比較的買いやすく、70〜90年代の個体もまだ現実的な価格で狙えることがあります。
ES-355:希少で「出物を待つ」モデル
ES-355はそもそも生産量が少なく、中古ではなかなか見かけないことも多いです。しかし、70年代製などはギブソン全体の市場評価が落ち着いていた時代でもあり、狙い目になるケースがあります。
所有している人の満足度が非常に高く、「一生もの」として愛されることが多いモデルですね。
中古は「量で選ぶなら335」「希少性とステータスで選ぶなら355」の構図になります。どちらを選ぶにせよ、最終的には現物のコンディションと鳴りがすべてなので、できれば試奏したうえで決めてください。
ギブソン335と355の違いによる選び方アドバイスまとめ
ここまで解説してきた内容を踏まえて、「あなたがどちらを選ぶべきか」を改めて整理していきます。
音で選ぶなら
- 甘いブルース・ジャズ寄りトーン → ES-335
- キレのあるロック寄りトーン → ES-355
見た目で選ぶなら
- 控えめで渋いスタンダード → ES-335
- 豪華でステージ映え重視 → ES-355
予算で選ぶなら
- 初めてのセミアコとして現実路線 → ES-335
- 一生ものとしてフラッグシップを狙う → ES-355
もしソリッドとの組み合わせも考えるなら、国産ハイエンドレスポールをまとめたこちらも参考になると思います:
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迷ったらES-335、惚れ込んだらES-355。
これは私がいろんなギタリストを見てきて感じているひとつの結論です。最終的には“心が動く方”を大事にしてください。
ギブソン335と355の違い最終的なまとめと自分に合う一本選び
最後に、ギブソン335と355の違いを改めて整理しておきます。335はローズウッド指板と控えめな装飾、シンプルなモノラル配線で、ジャンルを問わないスタンダードモデル。一方355はエボニー指板、多層バインディング、ゴールドパーツ、場合によってはバリトーンスイッチやステレオ配線など、より豪華で存在感の強いフラッグシップモデルです。
ギブソン335と355の違いを理解したうえで、自分が求めているトーン、見た目、プレイスタイル、好きなアーティスト、予算など、いくつかの観点で比較してみれば、きっとどちらがあなたに合う一本か見えてくるはずです。
購入を考える際は、価格やスペックの詳細が変更されることもあるので、必ず最新の公式情報や信頼できる販売店で確認しながら進めてくださいね。そして最終判断は専門家のアドバイスも交えつつ、納得できる一本を手に入れていただければと思います。
あなたのギターライフが、さらに豊かで楽しいものになりますように。