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こんにちは。luxe-guitars.com 運営者のHです。
フジゲンのギターを試奏して弾きにくいと感じたとき、「サークル・フレッティング・システム(C.F.S.)が原因ではないか」と考える人もいるでしょう。しかし、C.F.S.の公式な仕組みは、人の指の動きに合わせてフレットを曲げるものではありません。
フジゲンは、各弦と各フレットが直角に交差し、どの弦でも仕様上のスケール値を一致させるための設計と説明しています。フレットの円弧は肉眼で見分けにくいほど大きく、使用するフレット線も通常のものです。
したがって、弾きにくさをC.F.S.だけに結び付ける根拠はありません。ネックの形、指板、フレットのサイズと材質、弦ゲージ、弦高、ネックの反り、ナット、個体の調整状態を分けて確認する必要があります。
この記事の結論
- C.F.S.は各弦とフレットの交差とスケールに着目した設計で、指の動きに合わせた形ではない
- 「慣れるまで2〜4週間」など、全員に共通する期間は公式資料から確認できない
- フレット線は特殊品ではなく、公式は通常と同様の交換ができると案内している
- 試奏ではC.F.S.の有無より、検討モデル固有のネック、フレット、弦、調整を確認する
フジゲンC.F.S.の仕組み
各弦と各フレットを直角に交差させる
一般的なギターでは、ナット側で弦間隔が狭く、ブリッジ側へ向かって弦が広がります。フレットを互いに平行な直線として配置すると、外側の弦とフレットは厳密には直角に交差しません。
C.F.S.はフレットを緩やかな円弧状に配置し、各弦と各フレットが直角に交差するよう設計します。フジゲン公式は、従来方式では異なるスケールが存在するのに対し、C.F.S.ではどの弦でも仕様上のスケール値と一致すると説明しています。
ここでいう円弧は、マルチスケールのようにフレットが扇状へ大きく傾くものでも、True Temperamentのように複雑な形へ曲がるものでもありません。公式説明でも、肉眼では円弧を見分けにくく、直線を当てると確認できる程度とされています。
人の指の動きに合わせた設計ではない
C.F.S.について「指の自然な弧に合わせている」「コードフォームに合わせてフレット角度を変えている」と説明されることがありますが、フジゲン公式の技術説明はそのような理由を挙げていません。
公式が示しているのは、弦とフレットの交差、スケール値、音の抜け、立ち上がり、サステインです。指の動きや筋肉記憶を理由に弾き心地が変わると断定すると、仕組みの説明と体感の推測が混ざります。
試奏で違和感があった場合は、まずモデルのネックとセットアップを確認します。C.F.S.の円弧だけを原因とするには、同じモデル、同じネック、同じフレット、同じ弦、同じ調整で、C.F.S.の有無だけを変えた比較が必要です。
音の特徴はメーカーの説明として読む
フジゲンはC.F.S.の特徴として、単音とコードの音の抜け、立ち上がり、クリアなサウンド、豊かなサステインを挙げています。これは設計メーカーによる公式な説明であり、検討時の重要な資料です。
一方、弾き手がどの程度差を感じるかは、演奏、アンプ、歪み、ピックアップ、弦、調整、比較対象によって変わります。本記事では独立した同条件テストを行っていないため、「必ずコードの濁りが消える」「誰でもサステインが伸びる」とは断定しません。
C.F.S.搭載モデルの候補は、フジゲンC.F.S.搭載ギター(Amazon)でも確認できます。出品名だけで判断せず、型番を公式仕様と照合してください。
弾きにくさを感じる原因
ネックシェイプはシリーズ名では決まらない
フジゲンのネックを一括りに「太い」「Dシェイプ」と説明することはできません。たとえば現行NST100RALの公式仕様はMaple U-Shapeですが、別シリーズや別型番では形状が異なります。商品ページに形状が明記されていないモデルもあります。
ネックの感じ方は、中央の厚みだけでなく、肩の張り、ナット幅、指板端、塗装、1フレットと12フレットの厚み変化で決まります。型番を決めずに「フジゲンのネックは太い」と評価すると、候補選びを誤ります。
試奏では、ローポジションのコードだけでなく、6〜9フレットのポジション移動、親指をネック裏へ置くフォーム、親指を上に回すフォームを試します。5分で結論を出す必要はありませんが、30分や数週間という固定時間を合否基準にする必要もありません。
フレットのサイズと材質が違う
C.F.S.はフレットの配置方法であり、フレットのサイズや材質を1種類に限定する名称ではありません。現行のNST100RALは22F Medium C.F.S.、EOS3-ASH-MはJescar 55090Sのステンレス22F C.F.S.と掲載されています。
同じC.F.S.でも、ミディアムとジャンボ、ニッケル系とステンレス、高さの残った新品とすり合わせ後の中古では感触が変わります。押弦時の指板への触れ方、チョーキングの抵抗、強く押さえたときの音程を確認してください。
弦ゲージと弦高が演奏感を変える
試奏個体の弦が普段より太ければ、押弦とチョーキングは重く感じます。たとえばNST100RALの公式出荷弦は09-42、EOS3-ASH-Mの直営店掲載仕様は10-46です。両者の差をC.F.S.やシリーズの違いだけで説明できません。
弦高、ネックの反り、ナット溝の高さも確認します。ローポジションだけ押さえにくい場合はナット、特定のフレットで詰まる場合はネックやフレット、高音弦のチョーキングで詰まる場合は弦高と指板ラジアスが関係している可能性があります。
数値の目標は演奏方法とモデルで変わります。C.F.S.だから1弦12フレットを必ず何mmにする、リリーフを必ず何mmにするという専用の一律設定は、今回確認した公式資料にはありません。
中古は摩耗と過去の調整を確認する
新品でなく中古なら、フレットの局所摩耗、すり合わせ歴、ネックのねじれ、ナット交換、ブリッジ設定が弾き心地へ影響します。C.F.S.搭載機であることより、現在の個体状態を優先してください。
販売店には、最も摩耗したフレット、現在の弦高、トラスロッドの動作、ビビりと音詰まり、過去のフレット修理歴を確認します。フレット残量の割合だけで判断しないことが大切です。
C.F.S.搭載機の試奏方法
比較条件を揃える
C.F.S.の感触を確かめたいなら、普段使うギターと近いスケール、ネック、フレット、弦ゲージのモデルを選びます。比較対象が24.75インチで細い弦、試奏機が25.5インチで太い弦なら、張力差が大きく、C.F.S.の影響を切り分けられません。
アンプはクリーンにし、空間系エフェクトを切ります。音の伸びや分離を確認した後、普段使う歪み量でも試します。C.F.S.のメーカー説明にある音の立ち上がりやクリアさを、自分の演奏条件で感じるかを確認します。
コードと単音を同じ順序で弾く
開放コード、バレーコード、ハイポジションのコード、単音フレーズ、チョーキングの順に弾きます。いつも使う曲の一部を決めておくと、別のギターでも同じ内容を比較できます。
「音程が良い気がする」という印象だけでなく、各弦の音量、コードの分離、押弦の強さ、音詰まり、ポジション移動の引っかかりを分けて見ます。可能ならチューナーも使いますが、押弦の強さで音程は変わるため、数値だけで合否を決めません。
違和感の場所を言葉にする
弾きにくいと感じたら、「ネック全体が太い」「1フレット付近だけ押さえにくい」「チョーキングが重い」「フレット端が当たる」「特定位置で音が詰まる」のように場所と動作を分けます。
原因を言葉にできれば、別型番を試すのか、弦を替えるのか、調整を依頼するのかを選べます。「C.F.S.が合わない」とまとめてしまうと、同じC.F.S.でも仕様の異なる候補を試す機会を失います。
慣れる期間は人によって異なる
C.F.S.について、1週間、2週間、2〜4週間で慣れるという共通の期間を示す公式資料は確認できません。試奏時の違和感が新品の弦やセットアップによるものなら、弾き続けても解消しないことがあります。
購入後に様子を見る場合も、漫然と期間を決めるより、弦高、反り、ナット、フレット、弦ゲージを点検し、何が変わったかを記録します。痛みや無理な力が必要な状態を「慣れ」として我慢せず、販売店やリペアショップへ相談してください。
C.F.S.のフレット交換と修理
フレット線は特殊なものではない
フジゲン公式は、C.F.S.に使用するフレット線は特殊なものではなく、通常の直線フレットと同様のものを使用すると説明しています。円弧状に製造された専用品を取り寄せなければ交換できない、という仕組みではありません。
公式はフレット交換も通常の交換と同様と案内し、近くのリペアショップへ問い合わせるよう記載しています。その際、C.F.S.搭載機であることを必ず伝える必要があります。
受付可否は依頼先へ確認する
通常と同様に交換できることと、すべての店が作業を受け付けることは別です。設備、経験、混雑、保証方針により受付条件は異なるため、依頼先には型番、C.F.S.搭載、希望するフレット材とサイズを伝え、見積もりを取ります。
中古購入前なら、現在のフレット高さ、過去のすり合わせ歴、交換の要否を先に確認します。「C.F.S.だから修理できない」と避けるのではなく、購入する個体の状態と、依頼予定の工房が対応できるかを分けて判断してください。
自分での調整は原因を切り分けてから
弦高、トラスロッド、ナット、ピックアップ高を一度に動かすと、何が改善したのか分からなくなります。特にナット溝とフレット作業は削ると戻せないため、工具の扱いと基準が分からなければ専門店へ依頼します。
ドライバー1本でできる調整でも、ピックアップの磁力、弦高、演奏時のノイズが変わることがあります。C.F.S.専用の値を作らず、そのモデルの取扱情報と現在の状態を基準にしてください。
モデル選びで確認すること
現行品は型番ごとの公式仕様を見る
フジゲンのC.F.S.技術ページは、全モデルに採用すると案内しています。購入候補では、各製品ページのFrets欄にC.F.S.表記があるかを確認し、年式の古い中古や仕様変更品は販売店へ問い合わせます。
Neo ClassicにはNST、NTE、NLS、NLCなどがあり、MasterfieldにはMFA、MSAなどがあります。旧称や存在しない型番を頼りにせず、現在の公式ラインナップと候補個体の商品番号を照合してください。
C.F.S.以外の仕様を先に絞る
ボディ形状、スケール、ピックアップ配列、指板、フレット材、ブリッジ、重量を先に決めます。たとえばNST100RALとEOS3-ASH-MはどちらもC.F.S.ですが、SSSとHSS、ローズウッドとメイプル、09-42と10-46という違いがあります。
C.F.S.が共通なら、価格差を説明するのは別の仕様です。シリーズの上下だけで決めず、実際に使うピックアップとコントロール、フレット、ブリッジへ費用を払うかを考えます。
候補を探す場合は、フジゲン Neo Classic(Amazon)も一覧確認に使えます。出品の仕様と在庫は変わるため、購入前に公式ページと販売店の説明を照合してください。
よくある質問
C.F.S.は見た目で分かりますか
フジゲン公式は、フレットの円弧はかなり大きく、肉眼では見分けにくいと説明しています。直線を当てると円弧を確認できるとされていますが、店頭の商品へ道具を当てる場合は必ず店員の許可を得てください。最も確実なのは公式仕様と型番の確認です。
C.F.S.は音程補正フレットですか
C.F.S.は各弦と各フレットの交差とスケール値に着目した設計です。フレットが複雑に曲がり、各音のピッチを個別に補正する方式と同一ではありません。一般的な平均律のギターで、ナット、弦、押弦、オクターブ調整による音程変化も残ります。
C.F.S.は普通の店でリフレットできますか
公式は通常と同様のフレット交換ができると案内しています。ただし、実際の受付は店ごとに異なります。問い合わせ時にC.F.S.搭載機であることを伝え、作業方法、フレット材、費用、納期を確認してください。
フジゲンが弾きにくいと感じたら買わない方がよいですか
その場で違和感があった理由を分けて考えます。ネック形状が合わないなら別型番、弦が太いなら近いゲージ、調整に問題があるなら別個体を試します。痛みが出る、希望する弦高で音が詰まる、調整余地が確認できない場合は、無理に購入する必要はありません。
まとめ
C.F.S.は、人の指の動きへ合わせたフレットでも、特殊な専用フレット線を使う仕組みでもありません。フジゲンは、各弦と各フレットを直角に交差させ、各弦の仕様上のスケール値を揃える設計と説明しています。
弾きにくさを感じたら、C.F.S.だけを原因にせず、候補モデルのネックシェイプ、フレット材とサイズ、弦ゲージ、弦高、ネック、ナット、中古の摩耗を確認してください。慣れるまでの期間を決めるより、違和感の出る動作と場所を特定する方が解決につながります。
フレット交換は通常と同様に行えると公式が案内しています。依頼時はC.F.S.搭載機であることを伝え、受付可否と見積もりを確認します。仕組み、モデル固有の仕様、個体状態を分けて見れば、C.F.S.という名称だけで避けたり、過度に期待したりせずに選べます。
参考にした公式情報
公式仕様と掲載内容は2026年9月24日に確認しました。製品仕様は変更される場合があるため、購入・修理時点の型番と公式情報を優先してください。
